テーマ
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2015年2月理事会
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日時
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2015/02/17
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場所
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県立男女共同参画センター
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出席者
敬称略
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伊藤、片岡、大越、今井、竹村、栢、渡辺、井上、北村、中西
大前、小林、古川、
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資料
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27年度年間行事計画予定(案) 、
第6回自然保護「伊吹山麓」実施要項(案)、
日山協登山月報 他
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2015年02月
第16回『岳連山塾』の 研修会案内
比良山系「遭難&事故情報」
山岳研修会資料「引率登山」
平成26年度(2014年度)山岳指導員研修会 兼 山岳技術研修会(積雪期)
研修レジメ
【研修資料 「引率登山の実践」】
対象者 児童学生(未成年者)及び登山未経験者や登山技術未熟者(成人を含む)高齢者など
目的 自然・山との出会いを提供し、体験する幸せや喜びを与え、それらの夢と希望を確実に
(1)集団登山の種類
2.募集登山には、
・市町村民登山・・・親睦、レクリエーションを目的に行う
(2)一般の登山者との違い
○隊としてのモラル・パワーは発揮されない
参加者の連帯感・相互扶助意識はゼロに等しい(特に募集登山)
候でも 行動することがあるが、引率登山では、天候が悪ければ原則として登山を中止す
に備えて 適切な体制を整えておく
5.危険を敏感に察知し、人命を守るために、あらゆる努力を払うこと
⚪登山者に意欲と目的意識をもたせる指導
判断して安全を確保することにつながる(「危険だ」という意識づけ でなく、「未知の世
*引率者の姿勢
・引率者が嫌々引率するのでは登山者にとって楽しい登山になるはずがない。
・引率者が山の楽しさを知るとともに、参加者に感動を与える“演出家”に徹する
形態 1.志向別
・レジャー志向(心理的開放感)
・健康志向(運動スポーツ)
2.ジャンル別
・一般登山(ハイキング~)
計画
(2)体力差を考慮し、体力の低い人に十分配慮して計画を立てる
(3)実施期間は3泊4日以内とする
(4) 通常の登山では、ロープを使用しない箇所でも引率登山では使用する場合がある
そのような 事態は避けなくてはならない
*計画の進め方(一例)
1.事前調査(下見)または前年度の計画を参考に概要を決定 (山小屋、交通手段の確保)
2.計画書の作成
3.事前準備・事前学習
4.直前下見〈1~2週間〉
5.山行引率〈当日〉
6.反省会
・留守部隊
しておき、緊急時の連絡体制(連絡網)を作成
分行うとともに、 参加者にもその内容を周知する。特に、防寒具、雨具、着替え、
予備食糧等の装備、身体にあった ザックや登山靴の準備などを適切に指導する
引率者の役割 分担の変更等について共通理解を図るとともに、具体的な計画立案を
特に次の点について対策を立てる
⚪ゆとりある引率とは
・引率者の数と質が十分である(数だけでなく、質が重要)
⚪団体装備(引率者は、不要と思っても持って行かねばならない物がある)
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・救急医薬品(テーピングテープ、ブドウ糖も加えたい)
-
・笛 ・通信機器(携帯電話は場所によって使えない)
-
・ロープ ・スリング ・カラビナ ・ツェルト(女子のトイレ時にも利用できる)
・ストック(伸縮式が望ましい) ・ナイフ ・小型ペンチ、針金など
*装備の所持者を確認しておき、いざというときすぐに使えるようにしておく
⚪下見
・コースタイムの見積もり
・分岐点や不明瞭な部分の確認
・危険箇所の点検と通過方法の工夫
・集合や大休憩場所の選定
・水場やトイレの適地
・展望や自然観察適地
・緊急避難地、エスケープルート(逃げ道)
(特に学校登山では、使用上の注意点、部屋数、食事のとり方、 水筒の補給方法、
予定日の混み具合、同宿校等の確認)
・通信手段の電波状況等の確認
1.人員確認・・・・・人数だけでなく、名簿で確認(事前にリストをつくっておく)
2.健康状態の確認・・風邪、頭痛、腹痛等の体調、寝不足でないか、朝食を食べたか等
6.トイレの確認・・・出発前に済ませる
7.準備体操(ストレッチ)
8.靴ひも、パッキングの確認歩行技術
隊列(順番)・先頭(引率者、ペースメーカー)→体力的に弱い人
→次に弱い人 ~~~~~最後尾(引率者、リーダー)
ペース
・先頭(ペースメーカー)のペースによって登山の善し悪しが決定する
・下りこそしなやかにゆっくりと(登りに比べて事故が多く膝や足を痛めることが多い)
・落石や危険の防止のためとともに、自然保護のためにも登山道以外を通らない
「ラークッ」) と叫ぶ
危険箇所の通過
・危険箇所は一人ずつ通過する
よう指示・鎖やロープが設置された箇所では、鎖やロープにもたれかからず、補助
休憩の仕方
・「○分歩いたら△分休み」ばかりにとらわれず、広いスペースや景色の良い場所
があくので 同じこと)
2.場所
・とにかく安全な場所(上方からの落石がない、人やザックが落ちない)
・雪渓などでは落石や雪崩の心配があるので一人は上方を向いて座り監視している
・天候変化、体調に合わせて、衣類を早めに着る
4.栄養分の補給
・腹が減らないうちに補給する
・エネルギー源になるものは、糖質の多い甘い物・筋肉疲労に役立つ物は、塩分(梅
5.水分の補給
・のどの渇きを覚えないうちに飲む
・塩分の補給も兼ねて、2倍程度に薄めたスポーツ飲料を利用すると吸収も早い
⚪ばてた人の対処
パンなど 甘い物をとる
★予防のために、水分とともに塩分を摂る
・引率者数が十分確保できている場合以外、隊を分散させてはならない
⚪危急時(ケガ・事故)の対策
・危険に対する予知義務・・・ 前もってあらゆる可能性を考えその対策を立ててお
⚪非常時対策
・連絡方法(留守本部、家族、警察への救助要請)
円を描くように振る(救助要請でない場合、むやみに手を振らない) 乗務員が確認
・隊全体の把握(安全な場所への避難、パニックの防止、以後の行動について徹底)
■事故発生後の対応事例 事故の発生と共に、取り急ぎできる処置・手続きは、
2) 状況確認
3) 応急処置
4) 救助要請(消防、警察)の連絡
5) 搬送(ヘリ/救急車)
6) 現場責任者の判断で、参加者へ講習会 の継続、延長、中止、連絡法などを伝える
出される場合 もある。
8) 参加者の家族等に連絡。この際、直ち に対応が可能なら主催者側の管理者が望ま
しく、現状での 事態を急ぎ把握・整理した上で連絡すること。
10) 家族等の対応・連絡係を派遣
11) マスコミへの経過説明などである。その後、謝罪、家族へ誠意ある対応、
山岳保険問題などの 問題に配慮しながら対応していく
■登山の基礎技術・知識
山の環境
5、紫外線が平地より強い(増える) 直射日光が強い
6、日照時間
日の出 日の入り 行動可能時間 冬山 6:30~7:00 16:30ごろ 9時間 春山 5:00~6:00 17:30~18:30 10時間 夏山 4:30ごろ 18:30~19:00 11時間 秋山 6:30~7:00 16:30ごろ 9時間
1.高山病
・吐き気・嘔吐等・酸素吸入も良いが、長時間の吸入は期待できない(携帯酸素ボン
ベ程度では)ので、 深呼吸を続けさせる
入量が 低下する)
・重いときは下山させると治る
・呼吸が速くなり手足がしびれたようになる
・からせき(ラ音)、呼吸困難、唇が紫(チアノーゼ)、熱はそれほど高くない
医者へ 行かねばならない
・環境が変わるので単なる風邪ということも多い・薬を飲ませ、休ませる
5.熱中症
・高温多湿での長時間運動による脱水状態によって起きる
ゆる方法を とったりして体を冷やす
・重い場合は生命の危機になる
6.低体温症
・夏でも雨に打たれ強風にさらされれば低体温症になる
・意識がないときに物を与えてはならない
脳:35°Cを過ぎると会話に支障を来す
33°C で意識が薄れて、30°Cで意識は消失する
*山ではここまで。これ以前に回復処置を取らなけ 心臓:心臓は寒冷に弱い。
もの 血液:身体に酸素を運ぶヘモグロビンは、低温にな ると酸素を遊離できずに
7.キズ・小さなキズは消毒ガーゼ付き絆創膏、大きなキズは止血と消毒
8.骨折
・副木をあてて固定する。
・寒気を訴えることが多いので、温かい飲み物などを与え、全身を保温し病院へ
・スポーツソックスは、足首に靴擦れを起こしやすい
ア. 運動により温められた筋肉が風など外気によって急激に冷やされた場合→
イ. 炭酸ガス不足による場合 →吐いた息を再び吸うことで血液中の炭酸ガス濃
ウ. 汗をかいたための塩分(ナトリウム)不足 →食塩の補給(梅干しなど)
エ. カリウム不足 →バナナなど果物類によるカリウムの補給
・打撲・・・・ 冷やす
・ねんざ・・・ 冷やして圧迫しテーピングによる固定 ストックを使って負担を軽く
・肉離れ・・・ 患部を冷やし固定する
る際には 気をつけたい
につ
平成26年度(2014年度)山岳指導員研修会兼山岳技術研修会(積雪期) 実施報告
平成26年度(2014年度)
山岳指導員研修会 兼 山岳技術研修会(積雪期) 実施報告
○ 目的 滋賀県山岳連盟 山岳指導員の育成及び滋賀岳連会員の登山技術習得
○ 主管 滋賀県山岳連盟 指導委員会
○ 期日 2015年2月7~8日 (土・日)
○ 会場 比良山系武奈ケ岳周辺
○ 参加 15名 (内 義務研修受講 7名 )
○ 講師 主任講師 大越久嘉(滋賀岳連 指導委員長)
講師 小林広幸(滋賀岳連 競技委員長・高体連専門部)
三根博史(滋賀岳連 指導副委員長)
その他 高体連専門部顧問・指導委員会
○ 行程・研修 『冬期山岳に於ける登山技術の習得及び引率登山の実践』
2/7 晴れ
研修内容 歩行・読図ルート選定・引率登山・弱層テスト・生活技術
9:00 開講式/オリエンテーション
9:15 準備 「冬山装備」点検/装備分担/役割分担
10:00 高体連冬山技術講習会に合流~イン谷口入山(250m)~
大山口~ ダケ道~八雲ヶ原BC設営(920m)~研修~
テント宿泊
2/8 曇り/雪
研修内容 歩行・読図ルート選定・引率登山
6:00 BC発~武奈ヶ岳(1214m)~BC撤収~往時下山
16:30 閉講式~解散
所感
今回の研修会のテーマは「引率登山」。未成年や登山技術未熟者を安全にかつ有意義に登山 してもらう術を学んでいただこうと企画されました。毎年行われている高体連山岳部の冬山 講習会に我々が合流して、実際に冬山初心者の高校生を引率するという実地研修会を行いま した。
集まった高校は7校、高校生数60名余、顧問の先生10数名、滋賀岳連研修生9名と総勢80 名を超える大パーティーです。研修生は学校ごとあるいはグループの担当を決められ、顧問 の先生をフォローする形で行われました。山岳部の高校生は競技登山にも関わっているので 体力的には問題ありませんが、なにぶん冬山初心者ばかり。装備・技術・心得ともに不備未熟で あります。そうした未成年者に対し、厳しい指導ではなく楽しい登山を導くことはそんなに優 しいことではありません。折しも2日目の武奈ヶ岳へのピークハントは稜線で地吹雪に会い、 顧問・研修生が一体となって生徒を安全に引率しました。
この二日間を通して、互いに普段とは違うメンバーと共に冬の武奈ヶ岳を目指して行動し ました。BCのテン泊では供に寒い夜を過ごし、吹雪だったピークにも一人の落伍者も出さず に、この大パーティ全員が登頂しました。
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